虫退治 ミッション:1

突然の長門の呼び出し。
いや、長門からの呼び出しが突然でない場合ってのは無かったな。
いつものごとく落ち着いた様子であるから、緊急事態ではないだろう。
と、思いたいなあ。一般人の俺としては。

で、今回の用件はなんだね。できれば、穏やかな報告がいいんだがな。


「バグの原因が判明。」


なんだって?
あの長門を暴走させた原因がか?
さすがというべきなんだろう、うん。
で、いったいなんだった?
そして、対応策はあるのか?


「・・・」


黙って差し出された(それ)を見る。
それは以前よく見かけていたものだな。
長門が俺を初めて助けたときに、(それ)は無くなったものだったな。
そういえば、長門にとっては(それ)はあってもなくてもよかったのだろうか?
そもそも誰の趣味だったんだろうな?
案外情報統合思念体の趣味も偏っていたんだなあ。
文芸部にいる女の子は、眼鏡っ娘に違いないと判断するだなんて。
それともあれか?日本の文芸部のすべて調査して一般的パターンの容姿を長門にさせたというのだろうかね。
まったく、そういうことに忠実になるくらいなら、もっと別なことに、その能力を生かしてもらいたいものだね。
たとえば、そう、朝比奈さんのスリーサイズとか。いやいや。それは・・・やりすぎか。

で、(それ)がどうした?


「あなたが興味が無いと言ったから存在が不安定となった。」
「そのために情報の不整合が発生し最初のバグの原因のなったものと推察される。」


ちょっとまて。
おれのあのときの発言が問題なのか?
落ち着け、俺。
あのときは・・・
眼鏡っ娘属性は無い)と言っただけだ。
それ以外俺からの発言なんてなかったはずだが?

うーむ。でもそういうことなら、おまえが改めて眼鏡をかけるようになれば問題解決なんだな。
なんだ、簡単じゃないか。


「・・・違う」


何が違うんだ?眼鏡がないからバグが発生したんだろう?
それ以外になにかすることがあるのか?


「あなたが存在を否定したのが問題」
「情報統合にに不整合が発生中」


・・・するとなんだ。
ようするにだ。
おれが眼鏡っ娘好きならいいとでも言うのか?


「・・・そう」


まさかそんなことくらいで不安定になるだなんて、
そんなばかな。
説得力が足りないぞ。長門


「・・・類似例として、あなたのポニーテール好きが存在」


あ・・・
思わず言葉に詰まる。
たしかにあのときの俺は、世界をどうにかしたくて、そんな発言をしていたよ。
だからといって。なあ
まさかポニーテールが世界を救うだなんて、そんなことは、ありえない。
そうだと誰か、言ってくれ。頼むあら。


「今の世界はハルヒが構成に関わっている。安定のための属性情報が付与されているものと推定」


また、ハルヒか、
本当にあいつを中心に世界が回っていることが実感されるよな。まったく。
しかたがない。
それがいまの状況なんだと割り切ることにしよう。

で、どうすればいいんだ?力なき普通の人間である俺ができることは?


「・・・眼鏡好きの属性が必要」


あー、そんな答えは予想外だ。
それ以外にできないのか。おまえなら世界の情報操作など簡単だろ?


「・・・あなたに対しての情報操作は禁止されている。」


つまり、こういうことか。
眼鏡っ娘好きに俺が自らなれということなんだな。


「・・・そう。」


これは、結構難しい課題な気がする。
すくなくとも夏休みの宿題を片付けるより困難ではないかな。これ。
そうさな。とりあえず、朝比奈さんにでも眼鏡をかけてもらおうか、な?